院長コラム

未だに衰えぬ癌の脅威・・・あの人の様にならないために・・・ご家族と末永く暮らすために


医学の進歩とともに日本人の平均寿命は着実に伸びています。その理由として抗生物質の改良や脳卒中と心筋梗塞予防の為の生活習慣病の克服、癌の早期発見早期治療の進歩等が成果を出している事があげられます。その一方で寿命延長に伴い癌罹患率が上昇しています。最新の統計では国民の半数が一度は癌になり、3割が癌で亡くなっています。
癌は早期発見早期治療すれば根治可能な疾患ですが、自覚症状がわかりにくく、この為早期発見が遅れ他の臓器へ転移してしまう癌もあります。実際に予後の悪い(たちの悪い)ものとして、肺癌、食道癌、肝臓癌が5年生存率が50%以下、最近マスコミでもよく取り上げられる膵臓癌や胆嚢癌や胆道癌は5年生存率が30%以下が現状です。
では今後癌で苦しまずに生活するにはどうすれば良いかが問題となります。一般的に癌が進行癌になり他の臓器に転移するまでには2年から5年程度の時間を要します。この間に精密検査を繰り返せば早期発見ができるわけです。そこで御提案ですが、年に一度の全身のCT検査と胃腸の内視鏡検査を受ければ大丈夫となります。

ぜひ人間ドックに満足せずに、より精密な検査を年に一度受ける習慣をつけて下さい。

認知症とその予防法


認知症は一度正常に発達した認知機能が後天的は脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす様になった状態です。この疾患は、現在要介護者になった方の10%以上を占め2020年には国民の8.9%に相当する患者数になると予想されています。また現在85歳の25%、90歳の半数の方が認知症になっているとの報告もあります。この為、認知症になる前の予防が必要になっています。
認知症の診断には画像診断と臨床診断の両面からの相互診断で行われています。具体的には、頭部MRIで両側海馬の萎縮の程度と、認知症の質問表で判断します。一度認知症と診断されると現時点では完全治癒が困難な為、予防薬でその進行を停止させます。一般的には5~10年間で予防薬に慣れが生じ、効き目がなくなり更に認知症は進行します。この為、いかに早期に認知症前状態(正常と認知症の間の状態)を発見するかが問題となります。御自身及び家人の方が少しでも記憶力が落ちていると思われた場合は、直ちに最寄りの専門医療機関で診断を受けることをお勧め致します。また最新の診断法では、脳に沈着し認知症の発症原因となるアミロイドβペプチドを採血によって測定し、将来認知症になるかどうかの可能性の研究も進められています。
更に日頃から認知症の事に興味を持って健常のうちに予防に努める事が重要です。認知症の危険因子として分かっているものは、女性、頭部外傷、メタボリックシンドローム、喫煙、過度の飲酒、運動不足、無趣味、対人交流の減少があげられます。性別の女性である事は、平均寿命が長い事がその一因と考えられます。頭部外傷はある程度避けられない事ですが、その他の危険因子は積極的に回避すべきです。
メタボリックシンドロームの予防に関しては、魚やオリーブオイルを中心とした地中海式の食事が認知症予防に有効である報告があります。喫煙に関してはタバコ1本から危険率が高まります。また5年間禁煙を行えば危険性はほぼゼロになると言われています。ぜひ禁煙に努めましょう。また古くから言われている事ですが、チェスや読書、クロスワード等の知的活動や、散歩、水泳等の身体活動が予防には有効です。
最後に、規則正しい生活をして和やかな人間関係を構築し、何時までも仲間や異世代の人との会話を持つ事が重要な予防法と思われます。

小児の片頭痛の治療について


片頭痛の痛みのメカニズムは自律神経由来であり、性ホルモンと因果関係があると考えれています。この為、頭痛は思春期頃に発症し、更年期の50歳頃に軽快する方がほとんどの様です。思春期とは、第二次性徴が始まる頃と定義され、多くの子供さんは10歳を過ぎた頃の時期に相当すると思われます。
小児の片頭痛の治療は、痛み止めでも中等度で、妊婦さんでも服用できるカロナール(アセトアミノフェン)を使用します。カロナールはその安全面から優れた薬剤ですが、痛みの強い片頭痛には効果が不十分な場合があります。しかし、一般的に片頭痛の起こり始める思春期は頭痛の程度が軽く、頻度も多くないと言われ、カロナールの鎮痛作用でコントロールは充分と思われます。やがて思春期から性徴が急激に起こり、頭痛の程度や頻度が増加しますと、カロナールで片頭痛を改善する事が困難となり、カロナールより鎮痛作用の強い、ロキソニン、ボルタレン、トリプタン製剤の使用が必要になってきます。
ところで、大人の薬が使える条件は必ずしも年齢でなく体重で考えていく方法があります。一般的に35kg以上の体重で大人の薬の服用が可能になります。なお、思春期始めの男・女児の体重は平均で30kg以下ですが、上記で記した様にこの時期はカロナールで痛みはコントロール出来ます。その後成長に伴い、体重が35kg以上になれば、痛みの程度や頻度、薬の飲む事の利益と不利益を考えて大人の薬へ移行する事も治療の選択の一つと考えています。
 

今井雅之さんの報道を見て


有名人が病気や病死するといつも思うことですが、自分は本当に大丈夫かという事です。悲しいかな人間は忘れる動物なので、喉もと過ぎればすぐに忘れてしまします。私事ですが、父も大腸癌になり、病院でステージ4で余命半年と宣言を受けました。父の家系は脳卒中が多いので、私もまさかと思いました。当院でも患者さんのご家族の病気の事(家族歴)を聞きますが、食生活を含めた生活環境や大気汚染などの影響からか遺伝的な傾向は必ずしも当てにならなくなっているようです。
では、今から起こるかも知れない病気に対してどの様な検査で対処するかが問題となります。脳に関してはMRI検査と頸動脈エコー検査が欠かせません。胃と大腸は内視鏡が必要です。その他、全身の検査は造影剤を使用したCTとPET(ポジトロンエミッションCT)です。どの検査も2年に一度程度必要な様です。当院でできない検査もありますが、どうぞ御相談下さい。早期発見が大切です。
ではこれらの検査で充分かと言えば、癌の極一部に非常に悪性で3か月でステージ4になるものもあります。それら疾患は、現在の医療レベルでもお手上げの様です。
最後に予防の観点からわかる範囲で申しますと、できるだけ免疫力を高める生活をする事が大切です。充分な睡眠、禁煙、適度な飲酒、野菜多めの食事、6000歩以上の歩行等、健全で健康な生活が大切な様です。


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