院長コラム

命を大切に


この世に生を受けて、たくさんの事を経験し、人生後半になればそれを謳歌する事が、かいつまめば、幸せな人の一生と言えます。
 
 この世に生を受けた命を大切にするためには、早期発見、早期治療が必要です。つまり、癌を見つける事が重要になります。癌細胞は、全ての人で、1秒間に7個出来ると言われてます。この細胞を、見つけてこわす働きが免疫力です。この免疫は加齢とともに低下します。すると、癌細胞が大きくなり命に脅威を与えます。

 昨年暮れに、遠方にいる知人が、膵臓癌のため50歳代半ばで亡くなりました。膵臓癌は、痛みや胃腸症状が末期になるまで現れないため、しばしば発見が遅れる代表的な癌です。この方には、まだ幼い娘さんがおられました。本人は死んでも死にきれなかったと思います。この様な事になる前に、当院のMRI、CTによる画像診断をお勧めします。世界中で毎日このような、悲しい事例が無数にあります。幸い日本は、医療費の大半が公費でまかなわれています。是非この点を利用して積極的に検査を受けられる事をおすすめ致します。
 ※ただし、症状が全くない時は、保険適応にならず自費になる場合があります。
 
 私の40年間の臨床経験上、癌家系の方は特に注意が必要です。少しでも不安をお持ちの方は、ご相談下さい。

 命を大切にしましょう。生きる意味、理由は後回しで良いのです。生きたくても、死んでしまった人の為に。
   

新しい片頭痛治療薬


近年、色々な薬効の片頭痛治療薬が開発されています。特にCGRP関連薬(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)にはその臨床効果の有用性より、注目が集まっています。
片頭痛の治療法の変遷は、消炎鎮痛薬から、トリプタン製剤服用し、カルシウム拮抗薬を予防薬として併用しながら治療する時代、そしてトリプタン製剤を服用しながら、片頭痛対して新たなCGRP製剤を1ヶ月から3ヶ月に一度投与(注射薬)する時代に変わり始めています。
従来の薬は、頭痛発症後の炎症や血管拡張の改善薬で、いわば症状が発現後に対処するものでした。新しい薬剤は、頭痛発作に関係なく、定期的に1〜3ヶ月に一度注射投与して頭痛をコントロールします。
以前からCGRPが、頭痛発作時に上昇し片頭痛発現に関与している事が知られていました。
このCGRPをブロックしたり、受容体をブロックする製剤が開発され、臨床効果が特に優れており、徐々に使用される患者さんが増えています。当院でも既に10名以上の患者さんがご使用されています。
最近のデータですが、月に半分(15日)以上頭痛の為にトリプタン製剤を服用されていた患者さんの薬が半減したり、中には全く必要がなくなった患者さんまでおられます。
この様に臨床的にも極めて優れた製剤にも、問題点が2点あります。
第一に、片頭痛患者さん全員に使用することが保険上の観点から困難です。予防薬や治療薬を使用しても、月に4日以上の頭痛がある方に限り使用可能です。第二に薬品代が生物製剤の為、高価であることです。一般的に、トリプタン製剤であれば、先発品で月に15錠服用した場合3000円、後発品(ジェネリック)であれば、1000円に対して、CGRP製剤は、12000円程度になります。
この様な、一見ハードルが高い薬剤ですが、本当に毎日の様に片頭痛に苦しんでおられる患者さんには、コストパーフォーマンスに優れ、その薬効ゆえに、ぜひ一度試す価値のある薬剤と考えております。

新しい片頭痛急性期治療薬


片頭痛の急性期治療薬(頭痛時に頓服薬として服用する)に、従来から処方されていたトリプタン製剤以外に、新たな選択肢が増えたことをご存じですか?
このお薬は、片頭痛発作を引き起こしている脳の神経(疼痛シグナルと三叉神経の過活動)に直接はたらき、片頭痛発作の症状をやわらげることが期待できる世界初のジタン系薬剤(一般名レイボー)です。
特徴として、服用するタイミングに影響されにくく、従来のお薬では、片頭痛発作後出来るだけ早期に服用する事が重要でしたが、このお薬は、服用タイミングが遅れてしまった場合でも、早期に服薬した場合と同様の効果が期待できます。
また、従来のお薬で効果不十分な方でも効果を示す事や、片頭痛の随伴症状(悪心、音過敏、光過敏など)の消失効果も報告されています。
更に、トリプタン製剤と違い、血管を収縮させない為、心筋梗塞や脳梗塞の既往がある方にも安心して服用することができる画期的な薬です。
なおこのお薬での注意点もあります。服用後にめまい感、眠気、体のだるさなどの副作用が現れる可能性があります。臨床試験では、これらの副作用は一過性で、数回の服用で多くの方は改善します。そこで、特に初めて服用する場合は、自宅など横になって服用する事をおすすめしています。
片頭痛の治療はこのお薬以外にも、数年で大きな進歩を遂げています。あなたに合う治療法を見つけることで、より良い生活を送ることができるかもしれません。
片頭痛に左右され、苦しむ日常をあたりまえだと思っていませんか?
そのあたりまえは変えれるかもしれません。どうか詳しくは医師またはスタッフにご相談ください。

未だに衰えぬ癌の脅威・・・あの人の様にならないために・・・ご家族と末永く暮らすために


医学の進歩とともに日本人の平均寿命は着実に伸びています。その理由として抗生物質の改良や脳卒中と心筋梗塞予防の為の生活習慣病の克服、癌の早期発見早期治療の進歩等が成果を出している事があげられます。その一方で寿命延長に伴い癌罹患率が上昇しています。最新の統計では国民の半数が一度は癌になり、3割が癌で亡くなっています。
癌は早期発見早期治療すれば根治可能な疾患ですが、自覚症状がわかりにくく、この為早期発見が遅れ他の臓器へ転移してしまう癌もあります。実際に予後の悪い(たちの悪い)ものとして、肺癌、食道癌、肝臓癌が5年生存率が50%以下、最近マスコミでもよく取り上げられる膵臓癌や胆嚢癌や胆道癌は5年生存率が30%以下が現状です。
では今後癌で苦しまずに生活するにはどうすれば良いかが問題となります。一般的に癌が進行癌になり他の臓器に転移するまでには2年から5年程度の時間を要します。この間に精密検査を繰り返せば早期発見ができるわけです。そこで御提案ですが、年に一度の全身のCT検査と胃腸の内視鏡検査を受ければ大丈夫となります。

ぜひ人間ドックに満足せずに、より精密な検査を年に一度受ける習慣をつけて下さい。


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脳卒中(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)の予防・早期診断や脳ドック頭痛外来めまいしびれの症状でお困りの方は広島市中区の山村クリニック(脳神経外科、神経内科、放射線科)へお越し下さい。